hrstrategist’s blog

組織人事ストラテジストのつぶやき、業務連絡など。。

残業するなら朝が良い(1)

 おはようございます。組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。

 いつのまにか4月になってしまいました。学校や多くの会社では新年度ですね。新入社員が入ってきたりなど、大変ですが新しい出会いも多い季節です。東京地方はまさに桜も満開で、本格的に春が到来ですね。あとは花粉さえなければ。。

 3月になってから、Blogの更新が滞りがちになってしまっておりました。私の場合、文章を書くためにはある程度まとまった時間を取り、集中する必要があります。なかなかそのような時間が取りにくくなっているのが原因の一つでもあるのですが、今月以降は出来る限り意識的に時間を取って、頻繁に更新をしていきたいです(と宣言して自分を追い込む)。

 そう考えると、新聞記者のような、文章を書くプロの方たちは凄いなあと思いますね。訓練をすれば文章を書くスピードも上達するのでしょうが、どなたか良い〝教科書”などがあればぜひアドバイス下さい!

 さて、今日のネタは「朝型勤務」の話です。安倍総理の2月の施政方針演説を受け、総務省より、朝型勤務の推進について通知が出たようですね。

[ニュース]「夏の生活スタイル変革」(朝型勤務)に関する通知(総務省) ... - 『日本の人事部』

http://www.soumu.go.jp/main_content/000349983.pdf

 国家公務員が7,8月に「朝型勤務」の推進に取り組むと共に、地方自治体と民間企業にもこの取り組み(「夏の生活スタイル変革」)の浸透を図って欲しいという趣旨のようです。

 国家公務員に関しては、「朝型勤務と早期退庁の勧奨」を進める理由として以下の3点を重視するとしています。

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① 朝型勤務を実施し、退庁時間も早め、一日の時間を有効に使うことに
より、ワークライフバランスを実現すること
② 業務の無駄を徹底的に排除し、業務を効率化すること
③ 職員の士気の向上も通じて、国民への行政サービスの維持・向上を徹
底すること
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 夏場の早朝出勤に関しては、東日本大震災後の電力不足時に、電力需要をシフトさせる目的で、主に大企業が早朝出勤を実施していたことを思い出します。その結果、時間外労働の削減という効果を実感した会社も少なからずあったようですね。こんな事例もネットで出ていました。

震災を機にサマータイム制を導入(西武鉄道

http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2013/05/040-041.pdf

 上記の西武鉄道の事例では、就業時間の1時間繰り上げにより、「時間外労働の時間が減少」「家族とのふれあいの時間が増加」「退社後の時間の有効活動」といった効果が確認されたようです。そこで、結果として施策を夏に限定せず、通年で始業時間を30分繰り上げることになったようですね。

 そして、通年での「朝型勤務の取り組み」の事例としては、伊藤忠商事の取り組みが有名です。

www.itochu.co.jp

diamond.jp



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・深夜勤務(22:00-5:00)の「禁止」、20:00-22:00勤務の「原則禁止」。但し、やむを得ず20:00以降勤務が必要な場合は事前申請の上、認める。
・早朝勤務時間(5:00-8:00)は、インセンティブとして、深夜勤務と同様の割増し賃金(時間管理対象者:150%/時間管理対象外:25%)を支給する。
※ 7:50以前始業の場合、5:00-8:00の割増率を8:00-9:00にも適用。
健康管理の観点から8:00前始業社員に対し、軽食を支給する。
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 伊藤忠の事例で面白いのは、「朝食の支給」と「残業代の割増(深夜残業と同率)」という2つの施策です。前者については、同社社員の友人に聞いたところ、Doleのバナナなど、同社で取り扱っている製品が提供されているそうです。さすが商社といったところですね。経費節減も抜かりがない!

 そして、後者については、それだけではコスト増に繋がるはずですが、上記Webページによれば、それでも残業代のコストは削減されているようです。つまり、無駄な残業時間は削減され、生産性は向上しているということのようですね。これは同様の取り組みを検討している他社にとっても非常に参考になるのではないでしょうか。

 そもそも、始業時間前の労働時間について、時間外手当を支払っていない企業も実態としては少なくないのではないかと思われます。「そもそも会社は指示していない」という理屈ですね(本来的には当然アウトです)。しかし、もし会社が終業時間後の残業時間しか時間外手当を支払わないのなら、従業員にはできるだけ終業時間後に残業して手当をもらうようにするインセンティブが働きますから、始業時間の変更を伴わない「朝型勤務」を実施するには、当たり前ですが、その辺の扱いはクリアにして、きちんと時間外手当を支払うべきでしょう。

 この話、続きます。

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