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hrstrategist’s blog

組織人事ストラテジストのつぶやき、業務連絡など。。

2015年 日本ダービーの前に、競馬と株式の話を。

 こんばんは、組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。

 今週末はいよいよ日本ダービーが開催されます。競馬歴20数年(人生の半分!)で、数えきれないほど馬券は買ってきましたが、ダービーというのは独特の雰囲気、緊張感があります。個人的には、思い返せばウイニングチケットが勝った1993年が、当日競馬場で応援していた(柴田政人騎手には痺れました!)こともあり最も印象深いです。一緒に競馬場にいった友人とは最近連絡を取っていないなあ。。

 先週はオークスはカスリもしませんでしたが、新潟のレース(韋駄天ステークス)でブービー人気の馬で単勝9480円と複勝1700円を当てた勢い(当然掛け金は微々たるものですが)で、今週も頑張りたいものです。

 さて、そんな話はさておき、今日は人事の話でなく、株式投資の話です。競馬と株式の共通点というか、通じるものについて少し考えてみたことを残しててみようと思いました。

 まず、「競馬」という興行に関わる人達には何種類かの人達がおり、それぞれの人達の思惑はそれぞれ異なります。

1.馬券を買う人(ギャンブラー) 馬券で儲けたい
2.馬主 持ち馬をレースに出走させ、賞金で儲けたい
3.調教師 馬主から馬を預かり、厩舎を経営する。オーナーからもらう預託料とレースの賞金で儲けたい
4.スタッフ 厩舎に雇用され、馬の世話と調教等を担当する。調教師から払われる給料と自分が担当する馬のレースの賞金で儲けたい

 他にも騎手や馬の生産者、JRAなどの主催者等のプレイヤーがいますが、便宜上(私の都合で)単純化するためにここでは省略します。

 上記の人達の思惑はそれぞれ異なります。まず、1のギャンブラーにとって、唯一最も大事なのは、今このレースで自分が勝った馬が馬券になってくれることです。極論すれば、今このレースで勝ってくれれば、その馬が故障しようがどうしようが関係ない訳です。1つのレースが行われる時間は1分~3分で、そこで勝負が決まってしまう訳ですから、超「短期勝負」の世界です。まあ、ギャンブルというのはだいたいそういうものですが。

 一方で、2~4の人達にとっては、目先のレースより、その馬が生み出す長期的な利益を最大化することが彼らの利益に叶います。つまり、目先のレースで勝ってもそこで故障してその後レースに出て賞金を稼げなくなってしまっては困る訳です。厳密に言えば、その馬が現役でいる間の利益最大化を目指す3,4の人達と引退後の繁殖の価値も含めてより長期的に考える2の人達とは微妙に目指す所は異なりますが、それはあくまでその馬が相当に活躍した場合に限られますので、それも考えないことにします。

 ここで注目したいのは、1の人達と2~4の人達の思惑の違いです。双方の思惑は一致しない可能性がある訳ですね。つまり、馬を走らせる陣営(2~4の人達)にとっては、目先のレースに必ずしも全力を掛けるモチベーションが無い訳です。例えば、ダービーで勝ちたいと思えば、ダービーに向けて調子のピークを持ってこようと逆算して調整をしているはずですし、そうであれば前走やその前では100%の出来で仕上げるはずはないのです。

 1番の人達はそれを良く知っており、馬券を買うときにはその要素を含めて検討をします。もちろん相手は生き物なので、狙った通りには良くも悪くも行かない場合はありますが、その辺の不確定要素があるからこそ、ギャンブルとしての面白味があるとも言えます。

 そして、この構図は株式市場にも当てはまるのではないかと思うのです。

1.株主(ギャンブラー) 株で短期で儲けたい
2.株主(長期投資家) オーナーとして「会社」に投資し、長期の株価上昇+配当でで儲けたい
3.経営者 株主から会社を預かり、経営する。会社からもらう役員報酬と所有の自社株(ストックオプションを含む)で儲けたい
4.従業員 会社に雇用される。会社から払われる給料(ストックオプションがある場合もある)で儲けたい
5. 証券取引所と証券会社 株を売る手数料で儲けたい

 1の人達は短期利益追求型です。会社の長期的な展望にはあまり興味がなく、日々の株価の上下に一喜一憂します。この人たちにとっては会社の事業や業績も、単に株価に影響する要因の一部としてしか考えておりません。極論すれば、自分さえ儲かれば会社がその後潰れたって良いのです。これは、馬券を買うギャンブラーと同じメンタリティと言って良いと思います。4半期の業績にいちいち反応して売ったり買ったりしている人達は、1の人達です。個人だけでなくいわゆる「機関投資家」も、少なからずこのカテゴリに含まれます。

 一方で、2~4の人達は(本来は)長期利益の追求を目指します。「長期利益の追求」とは短期的な業績(競馬で言えば目先の一つひとつのレース)の結果に一喜一憂すべきでないということです。例えば、競馬で言えば、ダービを勝つために前走のトライアルレースでは7、8分の仕上げで臨み、人気を裏切って凡走することも、彼らのインセンティブから考えれば本来はあり得る訳です(逆に、本番のダービーでは皆が全力勝負する訳で、その分検討の要素が減ります。だからといって当たりやすくなる訳でもないですが。。)。

 そして、株式市場の特異性?は、日々のギャンブル(競馬でいえば個別のレースのオッズ)と本質的価値の追求(競馬で言えば、個別の馬が稼ぐ価値(賞金、引退後の種付料等)が、株価という同じ指標を通して並行して反映されている事だと思います。それ故に、いろいろと複雑になっていますね。

 その結果として(いろいろな意見はありますが)、株価は長期的な傾向としてはその会社の本質的な価値を反映し、短期的にはいろいろなノイズ要因により上下に波動します。よって、本来的に経営者が目指すべきことは、目先の株価の変動に囚われず(目先の株価対策のために直近の業績の見た目をかさ上げするための無駄な努力をせず)、長期視点で本質的な価値を向上させる努力を怠らないこと、一方で、本来的な価値と比べてUnder Valueにならないように、情報発信・公開(広い意味での広報、IR)に努めることではないでしょうか。

 投資家が投資する会社を選べるように、会社もどのような人に投資してほしいかを選ぶことができます。全ての投資家に喜んでもらう必要は無く、自社の経営理念に深く共感して下さる方達のみをターゲットとし、その方達(だけ)に認めて頂くように長期的視点で努力するのが経営者としての本来のあり方である、というのが私の考えです。もちろん、Stock MarketにListされているという事は、「誰に買われるか」は選べない訳ですが、だからこそなおさら、「誰に株を買って欲しいか」というメッセージを意図的により明確にするという事が重要ではないかと考えるのです。
 
 そんな話はさておき、ダービーの本命をどうするかは、まだ決めておりません。あと2日でじっくり考えたいと思います。

 では、Have a happy weekend!