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hrstrategist’s blog

組織人事ストラテジストのつぶやき、業務連絡など。。

部下は、"資産"

 こんにちは、組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。外出先で原稿を書いていると、外を見るといきなり雹(ヒョウ)?が降ってきました。勢いが凄かったのは一瞬で、今はやんでいますが。「熱帯かよっ」って一瞬思いましたが、熱帯ではヒョウは降らないそうですね(その後夕方になって、爽やかに晴れてきました!)。

 それはさておき、先日ある会社でリーダー研修の講師をしたのですが(研修系の仕事もたまにやっております)、そのような場で、部下を持つ管理職(マネージャー)の方たちにいつもお伝えしていることがあります。それは、「上司(管理職)の最も重要な仕事は、部下を育成する事」であるということです。

 そもそも、上司(管理職)に求められる役割とは何でしょうか。私は以下のように考えます。
 
 「上司(管理職)の役割とは、会社から人材(部下)・設備・資金等のリソースを使って、会社から求められた以上の成果を挙げること」

 これに対しては、違和感を感じられる方はあまりいないのではと思います。

 では、成果を挙げるために管理職に提供される「リソース」の意味について考えたことはあるでしょうか?

 気を付けなければいけないのは、これらのリソースは上司に与えられたものではないという事です。言い換えると、それは上司の「所有物」ではないのです。

 部署に与えられた予算は、会社が収益を上げるために正しく使われなければいけません。管理職はそれを正しく使う権限と責任を持っているに過ぎません。それを勘違いして私的に流用したことが判明したら、会社はその人を叱り、場合によっては(懲戒処分などで)罰することになります。

 また、オフィスの備品等のリソースは、通常の範囲の損耗であれば問題がありませんが、例えばパソコンを乱暴に扱ってしょっちゅう壊すような使い方をしていれば、それは問題になるでしょう。

 では、「部下」という、会社から提供された人材に関してはどうでしょうか。会社が自社の従業員に期待しているのは、短期的な成果だけでなく、(少なくともある程度以上の)長期的な活躍のはずです。ということは、会社は、部下を「損耗」させてでも短期的な成果を挙げることを上司(管理職)には求めていないのです。

 むしろ、会社は上司(管理職)に、部下という「資産」を貸しているのです。そして、貸し手である会社は借り手である上司に対し、元本だけでなく、「部下の成長」という利子をつけて会社に返すことが求められているのです。

 部下の成長=利子を付けるためには、上司(管理職)は預かった部下を励まし(時には叱り)、様々な経験を積ませて能力を向上させる必要があります。そして、成長する部下たちの活躍によって初めて上司は十分な成果を挙げることができるのです。

 だから、「上司(管理職)の最も重要な仕事は、部下を育成する事」なのです。

 一方、上司(管理職)が一番やってはいけないのは、部下という資産を「壊してしまう」ことです。具体的には、上司のマネジメントが原因の退職・休職・デモチベーション、メンタル疾病の発症などが挙げられます。

 そのような、パワハラ的な振舞いで部下を追い詰め、退職や病気に追い込む上司を「クラッシャー上司」と呼んだりしますね。

 

クラッシャー上司 - Wikipedia

 こちらの河合薫さんの記事も参考になります。

business.nikkeibp.co.jp

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 例えば、会社の資産(費用計上済み)を勝手に売り払って「これだけ利益がでました!」と自慢する管理職を会社はどう評価しますか?部下を「消費」して成果を挙げようとする上司はそれと同じです。本来なら部下の「損耗」分を差し引いた上司評価を会社はすべきなのです。

 もちろん、部下の損耗度を定量的に評価をするのは容易ではありませんが、「定量化できないから」といって評価の対象から外してしまうと、「部下をいくら使い潰しても短期的な成果を挙げれば評価される」という焼畑農業のような社風になってしまいます。

※「定量評価」の扱い方については、以前にエントリをを書きました。

hrstrategist.hatenablog.com

 「いや、我が社はそれでいいんだ」と経営者が仰るのであれば、考え方は人それぞれなので止めはしません。

 しかし、少なくとも私はそんな会社で働きたくありませんし、自分の知り合いがそのような会社で働こうとしていれば、全力で引き留めます。
(まあ、そのような考え方の経営者は私のBlogなど読まないでしょうが)

 というわけで、上司(管理職)と部下の関係のあり方について、このエントリが参考になれば幸いです。

 では、Have a nice day!