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組織人事ストラテジストのつぶやき、業務連絡など。。

「副業採用」のススメ

 こんにちは、組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。

 Blogの更新を1ヶ月以上サボっているうちに、東京地方はすっかり春めいてきました。外を歩いていても、公園でぼんやりしても寒さを感じませんから、外出する際の気分も軽くなりますね。とはいえ、花粉の問題が一方でありますが。。

 さて、今日は「副業」についての話です。多くの日本企業が従来認めず、就業規則等で従業員に禁止してきた「副業」に関し、「むしろ積極的に認めていこうではないか」という傾向がここ数年大きな流れになり始めています。
(以下の調査結果などは参考になります)

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※参考
リクルートキャリア 「兼業・副業に対する企業の意識調査」

www.recruitcareer.co.jp

https://www.recruitcareer.co.jp/news/20170214.pdf

「① 兼業・副業を容認・推進している企業は全体の22.9% ※正社員を対象とした調査結果

② 兼業・副業の禁止理由は、「社員の過重労働の抑制」が55.7%と最も高い
③ 兼業・副業の容認・推進理由は「特に禁止する理由がない」が68.7%と最も高い」

 

同 「副業を含む社外活動がキャリア意識に与える影響」

www.recruitcareer.co.jp

https://www.recruitcareer.co.jp/news/20170313_01.pdf

「社外活動は目的・内容により、キャリアに対する自信への影響が異なる。社外活動に参加すればキャリアへの自信がつくわけではない。」
「「他者と影響を与え合う機会」のある活動(社会に影響を与えたり、他者からフィードバックを得られるなど)が、キャリアに対する自信を強める。」
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 私はこの傾向はとても良いことだと思いますが、もっと凄い(素晴らしい)話を、先日、ある方から教えて頂きました。それが「副業採用」の話です。

 その方の会社はつい先日IPO(新規上場)したばかりの成長企業なのですが、なんと「すでに副業を持っている人」をターゲットとして、積極的に採用しているそうなのです。今いる社員の副業を認めるか否かではなく、始めから副業をしている前提で採用をする訳です。就業日数・時間等についても本人の希望を聞いて、柔軟に対応しているそうです。

 実際にどのような方が入社されるかというと、例えばWeb系やマーケティング系などで個人でコンサルティングを行っているような方が入社されるそうです。副業で十分稼いでおり、それを辞める気はないのですが、一方で、「組織に所属したい」「チームで仕事をしたい」という気持ちもあり、そのような働き方が出来る転職先を探してた所、その方の会社と出会い、転職を決めてくれたそうです。

 そして、そのような方たちがどの程度活躍されているかというと、非常に高い成果を挙げられているようです。考えてみれば個人でも稼げるスキルを持っている訳ですから、ある意味当然なのですが。

 にも関わらず、未だに多くの会社では「副業禁止」の前提で、このような優秀な方への転職の門戸を閉ざしてしまっている訳です。つまり逆に考えれば、「副業歓迎ですよ!」と宣言し、そのような方たちを積極的に取りに行くというのは、逆張りの戦略としては非常に賢いと思いませんか?

 実は、この話をもっと突き詰めると、「今後、優秀なフリーランサー(個人事業者)が増えていくことが予想される」「そもそも雇用契約が必要なのか」「そうなると会社はどのような人たち(だけ)を従業員として雇用契約すべきか」という議論になってきますね。

※参考図書 名著です。
フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか

 その話になるとまた話が長くなりますので、今日のエントリはここまでにしておきます。 では、Have a nice weekend!

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副業・兼業を推進する前に押さえておくべきこと(2) - hrstrategist’s blog