読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

hrstrategist’s blog

組織人事ストラテジストのつぶやき、業務連絡など。。

残業するなら朝が良い(2)

 こんにちは、組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。

 東京地方は桜満開です。先週末に満開になってから、雨がほとんど降らないお蔭もあって、よく持っています。この調子であれば今週末も花見が楽しめそうですね。

 さて、前回のお話の続きです。安倍内閣でも推進することになった「朝型勤務」について。

残業するなら朝が良い(1) - hrstrategist’s blog

 前回のエントリでは、西武鉄道伊藤忠商事の事例を紹介しました。前者では就業時間を早い時間にシフトしたもの、後者は定時時間は変えずに、早出残業を推進したものですが、いずれのケースもトライアル期間を経て「朝型勤務」を本格導入した事例です。

 「朝型勤務」のメリットとは何か、上記の事例も参考にしながら改めて確認しましょう。まずは効果が測定しやすいものとしてコスト削減があります。伊藤忠の事例では、「時間外手当の削減」「電力使用量の削減」が効果として数字に現れています。西武鉄道でもほぼ同様のようです。両社ともトライアル後にすんなりと本格導入に踏み切ることができたのは、コスト削減が明白であった事が大きな理由ではないかと推測します。

 費用面だけではありません、定量的には表しづらい所では、(睡眠不足の原因となる)深夜残業の抑制による「メンタル疾病予防・減少」の効果は期待できそうです。

※「睡眠不足で不安・抑うつが強まる」という研究結果

プレスリリース詳細 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

 また、生産性向上も期待できます。私自身も経験があるのですが、夜遅くまでの残業が定常状態になると、それを見越して昼間に手を抜いたり、無為に過ごしてしまったりする場合があります。「今日中に終わらせれば良い」と考えて、集中すれば定時時間内に終える事ができるような仕事もダラダラと残業して片づけたりしてしまいがちです。

 ところが、朝早く出社(残業)をして、一方で定時終業時間またはある一定の時間以降の残業をしないと決めた場合、お尻が決まっているので、そこから逆算して仕事を組み立てなければいけません。

 こちらの記事は、なかなか面白かったです。本田宗一郎ビル・ゲイツスティーブ・ジョブスなどの名経営者が「スピード」に拘る話が出ています。

lrandcom.com

 特に猛烈なのは、ビル・ゲイツの話です。

「とにかく時間を無駄にすることが大嫌いだったビル・ゲイツは、飛行機に乗る際、時間に余裕を持ってオフィスを出るのではなく、ギリギリの時間を逆算して、車を猛スピードで飛ばし、飛行機のドアが閉まろうかという間一髪のタイミングで飛行機に乗っていました。」

ゲイツは平然とこう言っています。
「せっぱ詰まった時こそ最高の能力が発揮できる。僕は時間の浪費を好まない。便が出る1時間も前に行っているような男じゃない。」」

 同様に、子育て中で短時間勤務や残業が出来ない方たちが、時間の制約がある中で成果を挙げるためには意識的に集中力を高めて仕事をせざるを得ないので、必然的に生産性が凄く上がったなどという話も聞いたりしますね。

 上記のエピソードの意味するものは「(時間の)制約があってこそ問題解決の創造性も高まる」という事です。もちろん本人の心がけ次第ではありますが、お尻が決まっているというような時間の制約は、生産性向上に効果ありということですね。私の経験からも、外出の直前の時間が最も集中力が出て仕事が捗ったりします。まさに今この原稿を書いている状況だったりします(笑)。

 時間のお尻を決めて深夜残業をしないメリットは、実は他にもあります。
 
 みなさんの会社でもこういう事例はあったりしませんか?プロジェクトの締め切りが迫り、業務が多忙な時に、頑張って深夜まで残業していたメンバー(場合によっては終電以降まで残業してタクシーで帰宅したりして)が、翌日に「体調不良」という理由で遅刻したり、最悪の場合は欠勤したりという事で途中離脱するケースです。

 上司にしてみれば、無理をして深夜残業をして翌日休まれるよりは、安定して定時時間内に業務を遂行してもらう(そして経費でタクシー帰宅をしない)部下の方がよほど貢献度が高いし、ありがたいはずですよね。

 残念ながら、本人に悪気がなくてもセルフコントロールが出来ず、目先に囚われて全体最適を損なってしまう人というのは存在します。「朝型勤務」の推進により、そのような人たちにもある程度強制力を持って生活習慣を夜型から朝型にシフトさせ、無用な体調悪化やそれに伴う業務上の損失も減らすことが出来るのではないでしょうか。

 一方、従業員にとってのメリットはどうでしょうか。

 家族と触れ合ったり、自己啓発をしたりする時間の捻出という「退社後の時間の有効活用」というメリットはもちろんですが、「通勤ラッシュの混雑する電車を避け、比較的空いてる電車に乗れる」というメリットもありますね。ただし一方で、早朝の電車は本数が少ないために、乗り継ぎが悪くなる人が出るなどの苦労は出てくるようですが。。

 このように、いろいろとメリットがありそうな「朝型勤務」ですが、それでも導入のためには乗り越えなければいけないハードルはありそうです。

 まだこの話は続きます。

残業するなら朝が良い(3) - hrstrategist’s blog