hrstrategist’s blog

組織人事ストラテジストのつぶやき、業務連絡など。。

「チームワーク」の意味とは?(1)

 こんにちは、組織人事ストラテジスト 新井です。

 今日のネタは、「チームワーク」です。みなさんは「チームワーク」や「チームワークが良い(または悪い)」という言葉を聞いてどのような内容を想像されるでしょうか?

 「チームワークが良いってどんな状態ですか?」といろいろな人に聞いてみると、おそらく以下のような答えが出てくる気がします。

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・チームのメンバー同志の仲が良く、互いのコミュニケーションが取れている
・お互いに進んで助け合う
・みんなで一緒にランチに行く(?)
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 これらが、チームワークという言葉に対する、多くの方の「印象」ではないかと思います。

 では、実際には「チームワーク」の定義とはどういうものなのか、久々に「新明解 第三版」を取り出して調べてみました。

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チーム:
一 団体競技で勝敗を争う、それぞれの組。
二 共同作業を行う、数人から成る集団。

チームワーク:
チームの一員としての自覚と連帯感が一人ひとりに要求される団体行動。
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 この定義に当てはめてみると、「チームワークが良い」というのは、チームの一員が自覚と連帯感を持って団体行動をしているという意味になりそうです。

 上記の印象とは少し(かなり?)違いますね。。

 では、もう一つ、より専門的に、「組織における高業績者の行動特性」を指す概念である「コンピテンシー competency」におけるチームワークの定義を見てみましょう。

 「コンピテンシー企業改革」(良書です)という本では、対人関係のコンピテンシーの一つとして「チームワーク」を次のように説明・定義しています。

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「グループの一員として効果的に機能する能力は、どのような職位にあっても、卓越した業績達成者としての決定的な特徴であることは間違いない。」

「ほとんどの人たちは、チームプレーヤーになることがどんなことを意味するのかについて掘り下げて理解していない。」

「チームワークは、チームで自分の役割を果たし、自分の立場を理解していればそれで十分だ、ということではない。卓越したチーム・プレーヤーは、数多くの行動やスタイルを通じて、ほかのチームメンバーたちの業績まで向上させるのだ。」

「チームはもともと複雑な集合体であり、その成功に貢献する方法にもさまざまなものが考えられる。」
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 また、チームワークというコンピテンシーを持つ人に含まれる代表的な行動として、以下を挙げています。

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・「ほかのチームメンバーに対する責任を果たす」
・「ほかのメンバーがさらにすぐれたチーム・プレイヤーになれるようにフィードバックを提供する」
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 新明解と近いですが、より深く突っ込んで定義をしているように思います。大変参考になりますね。

 これらを受けて私なりに定義をすると、良いチームワークを実現し、高い業績を達成するためには、「1.必要にして十分なコミュニケーション」「2.自分の役割・責任を果たす」「3.周囲に良い影響を与える」3つの要素が必要なのだと考えます。1,2,3と順番に難易度が上がりますので、「段階」という言い方でも良いと思います。以下、それぞれについて解説します。

 まず、一つ目の要素(段階)は、「必要にして十分なコミュニケーション」です。チームのメンバー同士が、互いに遠慮せず、またはネガティブな感情に流されず、業務上に必要な情報を与え合う、共有し合うことが実現出来ている状況です。

 これを実現するためには、各メンバー間での情報伝達のやり取りを阻害する要因がを取り除き、コミュニケーションのボトルネックを作らないようにする必要があります。阻害要因は個人における能力的な問題(例えばITリテラシーの低さ、報連相の優先順位の判断力)と、感情的な問題(主に相手に対する好き嫌い)が原因となります。

 前者の問題に関しては個人の能力を向上させるか、メンバーを入れ替えるという対処が必要になりますが、後者に関しては理屈の問題ではないので、中々対処が難しい部分はあります。ただし、個人の好き嫌いの感情とチームの目標達成との切り分けが出来ないという事は、その人に「プロ意識が足りない」という事でもある訳です。

 例えばレストランでの客の注文に対し、ウェイター(ウェイトレス)が、「あなたが個人的に嫌いだから注文は受けません」と対応するなどという事は、通常はあり得ないし、あってはいけないという事は理解できると思います(ごく稀に「やむを得ない」ケースはあると思いますが、その話はさておきます)。

 このケースと、オフィスにおいての同僚とのコミュニケーション拒否は、「プロ意識の欠如」ということでは意味は同じです。その人が嫌いだから、合わないからといって、仕事上必要なコミュニケーションすら取らないのであれば、それはプロフェッショナルとしての意識が低く、組織に対する貢献を果たしてないと言われても仕方がありません。

 業務上の関係に個人的な感情が大きく影響しないように、「個人の人格」と「仕事の人格」を分けて、後者を完璧に演じるという事がチームの中では「チームワーク」として時に求められます。それが出来ている状態が「必要にして十分なコミュニケーション」が実現している、チームワークの第1要素となるのです。

 ここでのポイントは、「チームワークが良い」=「仲が良い」ではないということです。もちろんメンバー同士の仲が良いに越したことは無いのですが、仲が良くなくてもチームワークが良い状態を作り出すことが出来るし、仲が良いゆえに「必要にして十分なコミュニケーション」が達成出来ていても、それはあくまで良いチームワークを達成するための条件の一つをクリアしたに過ぎないのだと認識する必要があります。

 残りの2つの要素(段階)については次回のエントリで説明いたします。この話は続きます。

「チームワーク」とは?(2) - hrstrategist’s blog

「チームワーク」とは?(3) - hrstrategist’s blog

 では、Have a nice weekend!