みぜん合同会社 設立1周年です。
こんばんは、組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。今日の東京地方は天候不順。とはいえ雨さえ降らなければ気温もほどほどで、暑さが苦手な私もまだ大丈夫な感じです。
さて、本日7月1日は、「みぜん合同会社」の設立記念日です。昨年の今日に、法人設立の届を法務局に提出しました。
それから1年、「みぜん合同会社」は、無事、最初の決算を迎えることが出来ました。おかげさまで、業績はまあ順調に行っていると言って良いのでないかと思います。これもひとえに、日頃から何かと気に掛けていただき、また、応援して下さる皆さまのお蔭だと思っております。
1周年だからといって何ら特別なこともありませんが、今後も今まで通り、自分らしく、楽しく活動をしていきたいと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします! Have a nice weekend!
※去年の今日の今頃の記事
記事掲載:「働き方改革につながるのか プレミアムフライデー導入の是非を問う」 Lightworks blog
こんばんは、組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。
株式会社ライトワークス様にご依頼頂き、「プレミアムフライデー」に関する解説記事を執筆いたしました。プレミアムフライデーの自社への導入の是非、導入する際の注意点などについて解説しています。
「プレミアムフライデーについて、これまでの導入事例を参考にしながら、実際に導入する際に配慮すべき注意点について詳しく解説します。」
「自社にとってどのような形でのプレミアムフライデーの導入が会社と従業員にとって有効かは各社各様であり、導入の検討をする際には、様々なやり方についてメリットとデメリットをしっかり認識し、その上でどのようなやり方がベストかを判断したうえで意思決定をすべきです。」
「「目的」を明確にせずに、ただプレミアムフライデーを導入した場合、従業員にとっては何のためにそれをするのか目的・意図が分かりませんので、会社や経営者の気まぐれに付き合わされている、ネガティブな「やらされ感」が組織内に蔓延してしまいがちなので注意が必要です。」
「プレミアムフライデーという施策の「目的」を掲げ、その改善度・達成度の進捗をKPIでウォッチしていく姿勢を経営者が示すことで、従業員は会社の「本気」を感じ取り、会社へのコミットを強めるのです。」
ぜひご一読を!
気付いたら、独立開業3周年
すっかり忘れていましたが、昨日6月9日は、私が独立して事業を始めた3周年の記念日でした。
なにしろ結婚記念日ですら(夫婦そろって)忘れる気質なので、本当に忘れていました。
過去2年は、以下のようなコメントをしていたのですが。。
まあ言い訳なのですが、仕事が忙しくて忘れていた、というのが本音です。
とはいえ、それだけ仕事に集中していた、というのはとても良いことですよね。
率直な現状の状況を申しますと、本当に皆様のお蔭で、当面食うには困らない位のお仕事は頂けております。さらには、有難いことに、これまでの実績を元に新規のお話も(ポツポツと)頂けております。
という訳で、皆さまにおかれましては、何か新井がお手伝いできそうな話がありましたら、恐れずにお気軽にお声がけ頂ければと思います。
今後とも引き続き、よろしくお願いいたします!
部下は、"資産"
こんにちは、組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。外出先で原稿を書いていると、外を見るといきなり雹(ヒョウ)?が降ってきました。勢いが凄かったのは一瞬で、今はやんでいますが。「熱帯かよっ」って一瞬思いましたが、熱帯ではヒョウは降らないそうですね(その後夕方になって、爽やかに晴れてきました!)。
それはさておき、先日ある会社でリーダー研修の講師をしたのですが(研修系の仕事もたまにやっております)、そのような場で、部下を持つ管理職(マネージャー)の方たちにいつもお伝えしていることがあります。それは、「上司(管理職)の最も重要な仕事は、部下を育成する事」であるということです。
そもそも、上司(管理職)に求められる役割とは何でしょうか。私は以下のように考えます。
「上司(管理職)の役割とは、会社から人材(部下)・設備・資金等のリソースを使って、会社から求められた以上の成果を挙げること」
これに対しては、違和感を感じられる方はあまりいないのではと思います。
では、成果を挙げるために管理職に提供される「リソース」の意味について考えたことはあるでしょうか?
気を付けなければいけないのは、これらのリソースは上司に与えられたものではないという事です。言い換えると、それは上司の「所有物」ではないのです。
部署に与えられた予算は、会社が収益を上げるために正しく使われなければいけません。管理職はそれを正しく使う権限と責任を持っているに過ぎません。それを勘違いして私的に流用したことが判明したら、会社はその人を叱り、場合によっては(懲戒処分などで)罰することになります。
また、オフィスの備品等のリソースは、通常の範囲の損耗であれば問題がありませんが、例えばパソコンを乱暴に扱ってしょっちゅう壊すような使い方をしていれば、それは問題になるでしょう。
では、「部下」という、会社から提供された人材に関してはどうでしょうか。会社が自社の従業員に期待しているのは、短期的な成果だけでなく、(少なくともある程度以上の)長期的な活躍のはずです。ということは、会社は、部下を「損耗」させてでも短期的な成果を挙げることを上司(管理職)には求めていないのです。
むしろ、会社は上司(管理職)に、部下という「資産」を貸しているのです。そして、貸し手である会社は借り手である上司に対し、元本だけでなく、「部下の成長」という利子をつけて会社に返すことが求められているのです。
部下の成長=利子を付けるためには、上司(管理職)は預かった部下を励まし(時には叱り)、様々な経験を積ませて能力を向上させる必要があります。そして、成長する部下たちの活躍によって初めて上司は十分な成果を挙げることができるのです。
だから、「上司(管理職)の最も重要な仕事は、部下を育成する事」なのです。
一方、上司(管理職)が一番やってはいけないのは、部下という資産を「壊してしまう」ことです。具体的には、上司のマネジメントが原因の退職・休職・デモチベーション、メンタル疾病の発症などが挙げられます。
そのような、パワハラ的な振舞いで部下を追い詰め、退職や病気に追い込む上司を「クラッシャー上司」と呼んだりしますね。
こちらの河合薫さんの記事も参考になります。
例えば、会社の資産(費用計上済み)を勝手に売り払って「これだけ利益がでました!」と自慢する管理職を会社はどう評価しますか?部下を「消費」して成果を挙げようとする上司はそれと同じです。本来なら部下の「損耗」分を差し引いた上司評価を会社はすべきなのです。
もちろん、部下の損耗度を定量的に評価をするのは容易ではありませんが、「定量化できないから」といって評価の対象から外してしまうと、「部下をいくら使い潰しても短期的な成果を挙げれば評価される」という焼畑農業のような社風になってしまいます。
※「定量評価」の扱い方については、以前にエントリをを書きました。
「いや、我が社はそれでいいんだ」と経営者が仰るのであれば、考え方は人それぞれなので止めはしません。
しかし、少なくとも私はそんな会社で働きたくありませんし、自分の知り合いがそのような会社で働こうとしていれば、全力で引き留めます。
(まあ、そのような考え方の経営者は私のBlogなど読まないでしょうが)
というわけで、上司(管理職)と部下の関係のあり方について、このエントリが参考になれば幸いです。
では、Have a nice day!
人事評価と、まんじゅう(饅頭)の関係とは?
こんにちは、組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。
今年のゴールデンウィークは、渋滞に遭遇する恐れの高い遠出はせず、ひたすら都内と川崎・横浜の範囲内で小さく動き回っておりました。お盆や正月もそうですが、大型連休の時期はむしろ都心に近づくにつれて、いつもより車や人が少なくなりますね。その代わり、行きたかったお店も休みだったりする場合もあるので良し悪しなのですが。
本エントリでは、前から書こうと思っていたネタを取り上げたいと思います。それは、「人事評価って"まんじゅう"だよね」という話です。
実はこの話、私がお手伝いをしている株式会社サーバーワークスの大石代表とディスカッションをしている際に、大石さんが思いついたのがきっかけなのですが、非常に分かりやすい例え話なので私もいろんな所で使わせて頂いております。
大石さんご自身もこの考え方について以下に詳しく書かれています。
---------------------
「皿=人として基本的な資質
まんじゅう=成果の大きさ・会社への貢献度合い
皮=当然やるべき仕事
あん=個人毎に特徴づけられる達成目標」
「本質的に成果というものは「まんじゅう」の様なもので、明文化されることは少ないが成果の大半を占めている「皮」の部分と、個人を特徴づけ、かつ目標管理プロセスの中で明確化される「あん」の部分との2つで成っている」
--------------------
「まんじゅう」に対する大石さんの解釈は上記をご覧頂ければと思いますが、ここでは私なりの解釈をお伝えしようと思います。人事評価を私がまんじゅうに例えるならば、
--------------------
あんこ=設定した目標に対する成果
皮=目標設定した業務以外の貢献
まんじゅう=上記2つを合わせた会社への貢献度
人事評価=まんじゅうの「価値(例えばいくらで売れるか)」に対する評価
--------------------
となります。
まんじゅうの「価値」とは、お客さんがそのまんじゅうをいくらの値段で買いたいと思うかどうかです。買いたいと思う条件は、「味」であり、「大きさ」であり「見た目」であるはずです。
まんじゅう評価を人事評価になぞらえると、あるべき人事評価の姿が分かります。
例えば、サイズがやたらと大きいけど味は不味いまんじゅうを食べたいと思いますか?または、あんこを丸めただけのものを「まんじゅう」と認めますか?
ところが、実際の人事評価では同様のことが行われているのです。
目標評価を行う際に、「できるだけ定量化しなさい」というアドバイスはよく聞きます。それ自体は間違いではありませんが、これを曲解して、「定量化できる指標だけを評価対象とすべきで、定量化できない要素は評価対象とすべきでない」といった主張をする人は少なからずいますし、さらには人事部門がそのように評価者に指示をする場合もあります。
「定量化された指標だけ評価する」というのは、「味に関わらず、まんじゅうは大きければ大きいほど良い」と言っているのと同じことです。昔のソビエトや中国のような共産主義の計画経済では、割り当てられた生産数を達成するために、実際には使い物にならない「製品」をやみくもに生産するということもあったようです。その結果何が起きたかは、歴史が証明していますね。
また、「目標評価のみ」で人事評価を決めるのは、皮≒"目標設定した業務以外の貢献"を全て無視することになります。これは皮も含めたまんじゅうの評価ではなく、単に「あんこ評価」をしているということです。
更には、設定した目標の達成度だけで評点を決めるやり方も見受けられます。これも運用に気を付けないと、難易度をできるだけ下げて目標を設定し、達成度を高めることで評点はいくらでもかさ上げできることになります。「あんこ評価」ですらなく、「予め決めたあんこの量の達成度評価」でまんじゅうの値段が決まるとしたら、どう思いますか?
※参考エントリ
逆の話もあります。「あんこが少なく、皮がやたらに厚いまんじゅう」ってどう思います?
会社が求める本来の業務を疎かにして、周辺業務の貢献(概ね、本人がやりたいからやっているのですが)を評価して欲しいと言われても、それは筋が違うという話です。「あんこだけ」のまんじゅうもダメですが、皮だけの「花巻き」をまんじゅうとして評価して欲しいというのと同じ話ですね。
理想のまんじゅうとは、あんこが多くて皮が適度に薄い、かつ、皮とあんこの両方がおいしいだけでなく、見た目も美しいもので、できれば小さいよりは大きい方が良いでしょう。味や見た目の評価は定性的な評価となります。
ただし、味と大きさと見た目のバランスの理想形は、人によって異なります。味や見かけよりも大きい方が良い人、味覚が最優先の人、見た目が一番大事な人、どれも間違いではないですよね。
だからこそ、人事評価では会社としての評価基準を決め、評価者にそれを徹底させるべきなのです。まんじゅうにおける味や見た目の評価は主観的にならざるを得ませんし、社内の複数の評価者の目線を合わせる努力をせず、それぞれが自分の好みだけでバラバラに「まんじゅう評価」を行うべきではないということは理解できると思います。
そして、会社としての評価基準を決める元になるのは、その会社が何を目指し、どのような価値観を大事にしているかという「経営理念」です。経営理念(ビジョン、ミッション、バリュー)は、その組織が存在・存続する目的・価値(感)を説明します。
※参考
一方で、自社の評価基準(どのまんじゅうを高く評価するか)だけでなく、市場における価値(一般の消費者に売った時にどれだけ高い価格を取れるか)も重要です。自社の評価に比べて市場の評価が高いのであれば、そのまんじゅう(人材)は自前で消費するより、より高く評価する所で消費(雇用)される方が本人にとっては幸せですよね。
つまり、"まんじゅうの価値評価"は自社にとっての価値と市場価値の両方を考慮する必要があるということです。
「社内での貢献度>市場価値」と、「社内での貢献度<市場価値」に対してどう処遇するかについては、以下のエントリで取り上げています。
ここまで人事評価のあり方を「まんじゅう」に例えて説明してきましたが、この例え話が皆さまにとって人事評価についての理解を深めるお役に立てば幸いです。
では、Have a nice day!