「即戦力採用」の罠(1)
こんにちは、みぜん合同会社 組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。年号も変わり、ゴールデンウイークの10連休も終わってしまった(お休みで来たかどうかはともあれ)昨今、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?
かく言う私は、連休中にやらなければいけない宿題(仕事です)があり、10日もあれば前半で余裕で終わるだろうと思っていたにもかかわらず、最終日(6日)にヒーヒー言いながら作業をするハメになりました。もちろん宿題を先送りした自己責任です。
夏休みが終わってから泣きながら宿題をしていた小中学生時代とやっている事が一緒です。年は取っても中身は全く進歩していないことに改めて気づきます。「大人になる」ってどういうことなのでしょう。。
さて、以前と比べると更新頻度が落ちてしまっている本Blogの執筆ですが、積極的にネタを探す努力をする必要がありますね。。
などと反省をしつつ、ネタに困ってネタ帳を引っ張り出して読み返しております。改めて読むと結構いい事も書いてある(気がする)のですが、blogで記事にするには話が膨らみづらく尺が持たなそうだったり、時事ネタ系で今さら出すにはタイミングが悪いものなど、やはり一長一短なものばかりです。とはいえ、このまま死蔵しているのももったいないので、なんとか記事にできるよう、工夫してみようと思います。
という訳で、蔵出し第一弾は、「採用」のあり方について、思っていることを書くことにしました。ビジネスパーソンの方なら、多くの方が「即戦力採用」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
試しにググってみると、検索結果上位は求人サイトが多数を占めますね。広告を除いて一番上位に出てきたのは、予想通り、「即戦力採用ならxxxxx」というフレーズで有名な某社が出てきました(興味がある方はご自身で検索されてみて下さい(笑)。
ここで素朴な疑問が出てきます。そもそも「即戦力採用」ってどういう意味なのでしょう?「即戦力」ってどういう戦力か、考えたことはありますか?
いつも使う手持ちの「新明解国語辞典 第三版」には掲載されていませんでしたが、こちらのサイトを参照すると、「即戦力」の意味が以下のように解説されています。
「訓練や準備をしなくてもすぐに使える戦力。」
「即」を「すぐに使える」と言い換えただけであまり説明になっていませんが、「すぐに使える戦力を採用する」のが即戦力採用である、というのがここまでの時点での理解としておきましょう。
そもそもなぜ「即戦力採用」をしなければならないか、という理由についても念のためおさらいしておきましょう。始めから話をすると、「何のために自社は存在するのか」という経営理念の話に遡る必要がありますが、話が長くなるので割愛します。
(興味がある方は以下の記事を読んでみてください)
経営理念は一応あると仮定(笑)して、その企業は、一般的には売上・利益などの「業績の向上」を目標とするでしょう。それを実現するための手段の一つとして、人材採用を位置づけます。その上で(少なくとも短期的には)教育訓練を必要とせず、採用してから「すぐに使える(≒業績向上に貢献できる)」人材であることを採用基準として人を採ることが「即戦力採用」である、と定義づけできそうです。
前置きが長くなりましたが、これまで書いてきたことは結構重要です。というのも、皆さまの会社において、上記のような定義づけをしっかり行った上で、果たして即戦力採用が行われており、かつ、採用した人がちゃんと「即戦力」として期待通り、または期待以上に活躍をして業績向上に貢献しているでしょうか?
私は思うに、多くの会社(極論するとほとんどの会社)において、「即戦力採用」した人材は実は全然「即戦力」になっていなかった、というのが現実ではないでしょうか?
と、疑問を投げかけた所で、一旦本日はここまでとします。次回をお楽しみに!
「4ドアのジムニー」と労働政策
こんにちは、みぜん合同会社 組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。
だいぶBlog投稿をサボっていましたが、元気です。それなりに忙しかったのと、なかなかネタを思いつかなかったので執筆が後回しになっていました。
今回は、ある2つの記事を読んで思ったことを書こうと思います。ひとつは、先日20年ぶりにモデルチェンジを行ったところ大人気となり、未だに長期の納車待ちという、「スズキ ジムニー」について、開発担当者にインタビューした記事です。開発者の米澤さんと取材者のフェルディナント・ヤマグチさんのやり取りが大変興味深いものでした。
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business.nikkei.com
「ジムニーはスズキを代表する特別なクルマだ。
特別な思い入れを持つ人が多いため、開発に関して、社内外からアレコレと口を出してくる人が大勢いる。」
「それはもう、ありとあらゆることですよ。それをいちいち100%聞いていたら、もうジムニーどころか、クルマじゃなくなっちゃうんですよ」
「社内外とも、関係のない外野の人がいろいろ言ってきますね。もっと大きくしてくれとか、そんなことを。基本骨格さえ決まってしまえば、それ以降はもう自分の中では味付けの領域なので、何を言われても関係ないんですけどね。」
「確かに4枚ドアを望む声は多く寄せられているのですが、今の形がいいという新しいお客さんにもたくさん来ていただいているので、計画はないですね。それにホイールベースを延ばしてしまうと、アングルも変わってきて最小回転半径も大きくなってしまう。すると悪路走破性も変わってしまう、そうなるともう……。」
「ジムニーがジムニーでなくなってしまう、と。」
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要は、「外野」の意見は一切無視をして、ジムニーという車に求められる本質的な性能と商品性(軽自動車である、高すぎない価格、取り回し・悪路走破性の維持、現在の要求水準に適合した安全装備など)を開発者が軸をブレさせずに突き詰めた結果として、多くの消費者から熱狂的に歓迎される「新しい名車」が出来上がったということです。いい話ですね。
※一方で、4ドア(5ドア)ジムニー発売の噂は根強くあるようです。
ふたつ目に気になった話は、(業界が全然違いますが)、労働法の専門家である、神戸大学大学院 大内伸哉先生の記事です。
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lavoroeamore.cocolog-nifty.com
「4月から高度プロフェッショナル制度が導入されています。誕生したときから,自由に羽ばたけないように重しをいっぱいつけられた可哀想な鳥のような制度です。」
「本来,(労働時間規制の)適用除外であることの意味は,時間外労働の抑制手段として,割増賃金を使わないところにあります。」
「論理的に考えると,この制度を適用してよいのは,時間管理を本人に任せてよい労働者となります。そうした労働者の範囲をどのように画するかについての基準は,いろいろありえるのですが,イメージは,知的創造的な仕事に従事している人です。」
「これが現在の高度プロフェッショナル制度と大きく違うのは明らかです。」
「自分で健康管理をできないかもしれないから,法が休息や健康管理に配慮してあげなければならないということでしょうが,私の考えでは,そういう人は,そもそもエグゼンプションの対象としてはならないのです。エグゼンプションの対象とするから,休息や健康管理はより厳格に法が配慮するというのは,論理的におかしいのです。」
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2019年4月から施行された「高度プロフェッショナル制度」とは、「高度な専門知識」かつ「一定水準以上の年収(現時点では1075万円)を得る」労働者に対して、(本人同意の上で)残業代の支払などの労働時間規制の対象から除外することを可能にする制度のことです。
高度プロフェッショナル制度 わかりやすい解説
(厚生労働省、わかりやすいという割には32ページもある!)
https://www.mhlw.go.jp/content/000497408.pdf
大内先生は、いわゆる「ホワイトカラーエグゼンプション」導入の議論が、マスコミや労働組合などの反対勢力により「残業代ゼロ法案」といったレッテルを貼り執拗に抵抗されてきた結果、本来あるべき姿とかけ離れた形で「高度プロフェッショナル制度」が出来上がったことについて(皮肉っぽく)感想を書かれています。
出来上がった「高度プロフェッショナル制度」の中身を見ると、いったいこの国に本制度適用の対象者(年収1075万以上&高度の専門性&管理監督者でない)が何人存在するのか(少なくとも「万単位」ではないでしょう)、10年以上の期間を掛けて導入可否を大騒ぎする必要があったのか、対象者に対してより厳格な「健康・福祉確保措置」を確保する必要があるのか(大内先生は「論理的におかしい」「政治的な妥協」と言い切っています)といったツッコミどころがいくつもあります。
要は、本質的な正攻法の議論は避け、政治的な妥協は重ねてでも「ホワイトカラーエグゼンプション」的なものを「アリの一穴」的にまずは導入してしまえという事なのでしょう。そのような(誰かさんの)「執念」を感じます。法案を通すことが最優先だとすれば、上記のような「変なところ」もある意味確信犯なのでしょう。
そこで(ようやく)冒頭のジムニーの話に戻るのですが、本件に限らず、(大内先生も愚痴られているように)、今の労働政策は、「4枚ドアのジムニー」になっていないかと思った訳です。「外野」の意見に配慮し、政治的妥協をしすぎた結果、当初目指した政策の目的・意図とはかけ離れたパッチワークのようなものが出来上がってしまっている気がします。とはいえ政策は「法案を通してナンボ」であり、そうしない限りどれだけ議論をしても現状は何も変わらないという面は理解していますが。
ちなみに、民間企業における意思決定でも「4ドアのジムニー」的な話は少なくありません。会議を通すために、当初の施策案の「とげ」が抜かれて毒にも薬にもならないものとなり、結果としてその施策の優位性が無くなってしまい、失敗するという事象です。
例えば、下記の本は「破綻企業に共通する意思決定の法則」についての研究なのですが、破綻企業の共通点として、「ミドルが多大な労力を事前調整にかける」「調整プロセスは(略)強い妥協色を帯びる」点を指摘しています。
「衰退の法則」小城武彦
この2つの話の教訓としてまとめるなら以下のようなことではないでしょうか。
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1.何らかの成果物を作る際には、「何を目的・ゴールとするか」、「それを達成するために何を追求し、何を捨てるか」という判断軸がブレずに意思決定する「プロデューサー」的存在が必要
2.上記「プロデューサー」に権限を全面委任し、たとえそれが上司やスポンサーだったとしてもあらゆる「外野」の口出しを排除する。
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とりとめのないまとめ方になりましたが、皆さまにとって何らかの参考になればと思います。
では、Have a nice weekend!
「温泉リモートワーク」の実績報告
あけましておめでとうございます。みぜん合同会社 組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。今年もよろしくお願いいたします。
昨年の今頃はスキーでケガ(骨折)をしていました。なので、今年の抱負は、まずは「1年を健康で過ごすこと」です。仕事に関しては、(毎年の抱負ですが)「渋太く」生き延びることです。今年もしぶとく頑張ります。
さて、昨年の秋から始めている、「温泉リモートワーク」(地方でリモートワークを実践しつつ、ローカルの素晴らしい温泉を満喫する活動!)の話です。私がなぜ「温泉リモートワーク」を始めたか、どのようなメリットを感じているかは、以前のエントリで紹介した通りです。
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「まずは自ら行動し、自身で体験するのが良いだろうと考え、「地方に行ってリモートワークを試してみる」という実験を、「ときどきナガノ」の補助を活用して、ぜひやってみようと思い立ったのです。」
「地方に赴く「あえて」の理由として付加的な(かつ純粋な)楽しみを追求し、「温泉」を絡めることで旅路をより意義あるものにするという方法論は、自身のモチベーションを存分に刺激し、ポジティブな効果を発揮していると感じます。」
「「飽きっぽい」私にとって、旅行&リモートワークにより環境を変えることで新鮮な刺激を脳に与えるのは、仕事に対する集中力を高めるのに役立っているように感じられます。」
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そして、実際に私は、昨年の9月から12月にかけ、延べ9回、「温泉リモートワーク」を実践してみました。本エントリでは、その行動の記録を書き残したいと思います。
以下は、昨年中に「温泉リモートワーク」でお伺いしたコワーキングスペース、温泉、食事処のリストです。ほとんどの場所が良い所でオススメなのですが、温泉と食事に関しては、100%主観で「特におすすめの場所」に★印を付けさせて頂きました。ご興味ある方はぜひ参考にしてみてください。
お世話になったコワーキングスペースです。
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時期 地名 施設名
9月 飯山 飯山市起業支援センターあすちゃれ
9月 戸倉上山田温泉 アルゴット戸倉 ※閉鎖
10月 長野(篠ノ井) コワーキングスペース長野
10月 白馬(八方) ヤフー白馬ベース
10月 富士見 富士見 森のオフィス
11月 茅野 ワークラボ八ヶ岳
12月 佐久 コワーキングスペースiitoco
12月 立科 立科町ふるさと交流館「芦田宿」
12月 小布施 HOUSE HOKUSAI
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そして、訪問した温泉のリスト(★印は特にオススメ)。
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時期 温泉/地名 種別 施設名
9月 野沢温泉 宿泊 河一屋
9月 野沢温泉 日帰り入浴 ★外湯
9月 霊泉寺温泉 日帰り入浴 共同浴場
9月 戸倉上山田温泉 宿泊 柏屋
10月 松代温泉 日帰り入浴 ★松代荘
10月 渋温泉 宿泊 金喜ホテル
10月 渋温泉 日帰り入浴 外湯
10月 白馬八方温泉 日帰り入浴 おびなたの湯
10月 奥白馬温泉 宿泊 ホテルグリーンプラザ
10月 毒沢鉱泉 日帰り入浴 ★神の湯
10月 上諏訪温泉 日帰り入浴 大和温泉(小和田)
11月 上諏訪温泉 宿泊 ★民宿すわ湖
11月 上諏訪温泉 日帰り入浴 片倉館
12月 あさしな温泉 日帰り入浴 穂の香乃湯
12月 佐久一萬里温泉 宿泊 ホテルゴールデンセンチュリー
12月 千古温泉 日帰り入浴 千古温泉
12月 春日温泉 宿泊 もちづき荘
12月 春日温泉 日帰り入浴 ゆざわ荘
12月 小布施 日帰り入浴 ★おぶせ温泉 穴観音の湯
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さらには、訪れた食事処のリスト!(★印は特にオススメ)
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時期 地名 施設名(実際に食べたメニュー)
9月 塩沢 ★こめ太郎(釜飯、とんかつ)
9月 飯山 幸輪(そば)
9月 鹿教湯温泉 ★★奈賀井(そば)
9月 戸倉上山田温泉 ★やきとり藤岡(とんかつ)
9月 坂城 あいさい亭(おしぼりうどん)
10月 松代温泉 和佳(野菜炒め、カツ丼)
10月 渋温泉 徳味(ラーメン)
10月 白馬(八方) おひょっくり(すいとん)
10月 白馬(信濃森上) 大法院(そば)
10月 白馬(八方) ★白馬飯店(焼きそば、中華丼)
10月 諏訪インター ハルビンラーメン(ラーメン)
10月 富士見 かぶと(ポークソテー、ハンバーグ)
11月 小淵沢 山翠樓(中華・豚肉野菜炒め)
12月 佐久平 磊庵はぎわら(そば)
12月佐久平 藤蔵屋(そば、鯉)
12月 岩村田 きくや(ハンバーグ、定食)
12月 上田 ★檸檬(あんかけ焼きそば)
12月 春日温泉 ★くう庵(そば)
12月 佐久 ★ふじた食堂(とんかつ)
12月 小布施 テンホウ小布施店(定食(野菜炒め・餃子)、チャーメン)
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個別の往訪先の詳しい感想を詳細に書くのは手間もかかりますし、量も膨大になりますので本Blogでは取り上げませんが、もしご興味のある方は、個別にお教えしてもいいですよ(笑)。
実は、今回の「ときどきナガノ」か補助して頂く枠はこれで使い切りましたので、本活動はいったん区切りを付けることなりますが、引き続き地方(二拠点)移住に向けてのトライアルは続けていきたいですし、その経過はまた改めてレポートしたいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。
では、Have a nice day!
新垣結衣さん演じる、「 獣になれない私たち(けもなれ)」の主人公、”深海晶”の給与額について考察してみた。
こんばんは、みぜん合同会社 組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。
今年もあと1日となりました。「組織人事ストラテジスト」として独立して4年半、今年もなんとか生き延びることができました。いつもお世話になっている皆さまに感謝です。ありがとうございます。そして、来年もよろしくお願いいたします。
などと今年を振り返っていたら、なんとBlogの更新が1ヶ月以上滞り、12月の投稿がまだゼロであったことに気付きました。Blogを始めた当初(4年前)は「週2回投稿が目標!!」などと寝言を言っておりましたが、ここ2年は月イチ更新がやっとです。「原稿書きの時間を取れない」というのは言い訳で、要するに(面白そうな)ネタを見つけるのがとても大変なのです(と、言い訳をする)。RIZAP様ありがとうございますw。
「月イチ更新」を維持すべく、かつネタ切れ対策のために今回は趣向を変えて、この間まで楽しく見ていた(ハマッたと言って良いでしょう)ドラマ「 獣になれない私たち(けもなれ)」をネタにしてみようと思いつきました。このドラマをご覧になっていない方は全く興味がないし理解できない内容かと思います、と予め予告しておきます(申し訳ございません)。
本作ですが、「空飛ぶ広報室」の大ファンとしては、野木亜希子さんと新垣結衣さん(ガッキー)の「最強タッグ」(4たび)再来ということで、放送開始前から期待をしていました。世間的にも前評判、期待は高かったようです。
ところが意外にも視聴率は(予想より)伸びず、内容についても「内容が重い」「予想と違った」などと否定的な意見がネットでも見受けられ、賛否両論といった感じです。
(「視聴率」をもって(未だに)作品の成否を評価する風潮には全く賛同しませんが)
個人的には、「さすが野木さん、素晴らしい、ありがとう!」というのが感想です。「逃げるは恥だが役に立つ」のヒットで誤解も多いようですが、野木さんの素晴らしさは、どの作品においても「仕事」の描き方の秀逸さであり、その点では期待以上であったと思います。かつ、(録画して)何度も見返すほどに新しい発見がある「味わい深い」コンテンツであったというのが私の評価です。
作品自体への(個人的な)感想を書くとキリがありませんので、本エントリでは「組織人事ストラテジスト」目線で気付き、かつ、おそらくこれまでネット上でもあまり分析されていない(と思われる)視点につき、書いてみようと考えました。
※ネタバレ注意ですが、本作品を視ていないと記述内容はほぼ理解できないと思われます。
主人公の(新垣結衣さん演じる)”深海晶”というキャラクターへの否定的な意見として、「オシャレな服装を沢山持ちすぎ」「クラフトビアバーに頻繁に行きすぎ」「普通のひとり暮らしのOLがそんなにお金を持っているなんて非現実的で共感できない」といった感想をネット上でチラホラ拝見しましたが、はたして、晶さんのような人は現実ではどのくらいの給料をもらっているのか?その給料でオシャレな服を沢山買ったり、クラフトビアバーに通い詰めることは可能なのか、推測してみました。
彼女が勤務しているのは、「ツクモ・クリエイト・ジャパン(以下、TCJ社)」という、東京にあるITベンチャー企業で、業務内容は(当初は)「営業アシスタント」です。
年齢30歳、中途入社で勤続4年、かつ、いろいろと重要な仕事(と、そうでない雑務も)を任されている(第9話では、「特別チーフクリエイター部長」(笑)まで昇進しました)という晶さんの状況を考えると、市場価値として基本給で月給30万円以上は貰っていて全然不思議ではありません(なお、ベンチャー企業における中途入社社員の給料の決め方として、「年齢×1万円=月給」をひとつの「目安」として用いる場合は割とあります)。
加えて、ドラマ内で描写されている彼女の勤怠状況(恒常的に過剰労働、かつ、深夜残業もあり)では、残業時間もかなり多いはずです。「営業アシスタント」である晶は「管理監督者」ではないし、「裁量労働制」が適用される職種でもありませんから、所定労働時間を超えた「時間外労働」には、時間数に応じた(1.25倍以上の)割増賃金が支払われているはずです。
計算を簡単にするために所定労働時間を150時間(完全週休2日で概ね1日あたり7.5時間相当)、月給30万円と推定すると、時給は2,000円、残業(時間外労働)25%増の単価は2,500円となりますから、月40時間(1日2時間)残業で残業代は10万円、60時間(1日3時間)で15万円となります。
つまり、基本給と残業代の合計で額面月収は最低でも40万円超、賞与を基本給の3~4ヶ月分と推定すれば、年収は600万円を超えます。
借家の契約更新の書類を見ると家賃は63,000円(文京区であの物件でこの値段は安い!羨ましい!)ですし、ファッションと飲み代以外では浪費をしている感じもありません(仕事と彼氏対応で忙しいし、趣味も無さそうだし)から、多少お高い服や靴を買ったり、バーに通ったり、「生き残り頭脳ゲーム」を(松田龍平さん演じる)"根元恒星"兄弟のために自腹でネットオークションで買ってあげたり(結構な高値が付いているようです)してもまあ問題なさそうな報酬水準と言えるでしょう。
第2話で恒星が、晶について「小金溜めてそう」と発言していましたが、(晶の服装の変化には気付かない鈍い男の割には)なかなか鋭い指摘をしていますね。
要は、彼女は能力的にも、処遇的にも、もはや「普通のOL」ではないのです。
「樫村地所」で働いていた派遣社員時代はそこまで残業も多くなかったでしょうから年収もおよそ300万円台だったでしょう。第2話の、(田中圭さん演ずる)"花井京谷"との回想シーンでの晶の服装(やヘアスタイル)は、いかにも「カツカツなOLの仕事着」風でした(このドラマはそこまで念入りに演出されています)。
そこから転職して(ようやく)正社員になり、自分の実力で(残業代込みですが)「年収600万」(中間管理職レベル)まで出世したとすれば、晶がたとえ過剰労働に加えてパワハラ、セクハラを受けていたとしても、会社を辞めて今の立場を失うことに大きな不安感、恐怖感を感じるのも理解が出来ます。
ちなみに、「私の会社では残業代なんて出ない。だからこのドラマは非現実的だ!」という意見も出そうですが、世の中には「きちんと残業代をフルに出す」会社も少なからず存在します(単なる法令順守ですけど)し、ドラマの中でTCJ社従業員たちは、残業代に対する不満の発言を誰もしていなかったので、残業代はきちんと払われていると解釈するのが自然だと思います。
もう1点、解説します。最終回(第10回)で晶はTCJ社を退職し、「失業手当を貰って、ゆっくり考える」(by晶)ことになりますが、本件に関し、晶は「失業手当」をいつ、どのくらい貰えるのでしょうか?
「失業手当(雇用保険の基本手当)」の支給要件は、「退職理由」「年齢」「勤続年数(被保険者であった期間)」によって決まります(以下のリンクに解説されています)。
ハローワークインターネットサービス - 基本手当の所定給付日数
晶の場合、自己都合(自ら申し出て)退職、かつ勤続1年以上~10年未満(現職4年+前職2年)の場合、給付日数は「90日(約3ヶ月)分」となります。
(第9話で、晶は(山内圭哉さん演ずる)九十九社長に「さっさと辞めえ、今すぐ辞めえ!」と怒鳴られており、これを「会社から退職を強要された」として争う余地は多いにありますが、最終話で晶は自ら退職届を提出して辞めたので、一応「自己都合退職」として考えます)
退職理由が自己都合の場合は、「離職票の提出と求職の申込みを行った日」から手当の給付までに7日間の「待機期間」+3ヶ月の「給付制限」期間があります。通常離職票は退職により最後の給与が支給された後に会社より発行されるので、退職日から最初の「失業手当」を受け取るまで、概ね4ヶ月以上間隔が空くことになります。
ハローワークインターネットサービス - 失業された方からのご質問(失業後の生活に関する情報)
そして「失業手当」額は、30歳以上で月給40万とすると、給付率50%で400,000÷30日×50%=日額6666円(端数切捨て)、月額で約20万円となります。(厳密には、通勤手当等も含めた過去6ヶ月の平均給与額により算定します。)残業代が多ければ、手当ももう少し増えますね。
つまり、晶のケースでは、退職してから「約4ヶ月後」から、「約20万円」が、「3ヶ月」分だけ貰えるという計算になります。よって、退職後4ヶ月は自身の貯金で食い繋ぐ必要がある訳です。最終話の、TCJ退職後の恒星との電話での会話(「ビール飲もうよ、一緒に飲みたいよ。」の名場面!)にて、今は「節約生活!」と晶は言っていましたが、4ヶ月間無収入+あと3ヶ月も従来の半分の月収(さらにその先は働かないと無収入)で暮らすのは確かに辛いですが、それでも平気な程度十分な貯金と、生活のための再就職ならいつでも出来るという自信を晶は持っているのでしょうね。
まあ、節約生活の割には誘われて恒星に会いに(かつ「ナインテールドキャッツ」ビールをおごって貰いに)那須高原まで行っているのですが(愛ですね)。
(東京⇒那須塩原、新幹線で行くと自由席でも片道5,390円(ドラマ設定での12月16日の運賃・料金)します)
※15時前に現地着だと、この列車か?
という訳で、年末休みの気安さもあり、本業から少し離れて(?)ドラマの設定に対して突っ込んでみましたが、改めて感じるのは、この「獣になれない私たち」というドラマがいかに細かく(矛盾が無いように)設定を突きつめ、ドラマの世界観を作りこんでいるか、ということです。良質な作品からは、いろいろと学びを吸収することが出来ますね。数え上げればきりがありませんが、例えば、最終話での「終わってないよ。変わっただけ」「それでも飲む」という晶のセリフ(長くなるのでやめておきます…)。
ご本人のTwitterコメントによれば、2019年の新作は無いそうですが、いちファンとして、野木さんの次回作を大いに期待して、じっくり待ちたいと思います!
ちなみに私の脚本担当予定としては、2019年度はオンエアも公開もありません。すべて2020年度以降。沼の一年。
— 獣になれない野木亜紀子 (@nog_ak) December 20, 2018
ではでは、みなさま良いお年を。Have a Happy New Year!
RIZAP社 「赤字70億円」の衝撃。会社の内情を想像してみます。
こんばんは、みぜん合同会社 組織人事ストラテジスト 新井 規夫です。
RIZAPの決算下方修正の件、非常に話題になっていますね。
2019年3月期の連結最終損益(国際会計基準)の予想を、従来の「159億円の黒字」から「70億円の赤字」と大幅に下方修正した上で、M&A(合併・買収)による拡大路線を転換し、当面は事業の選択と集中を進めることを明らかにしています。
この決算発表での記者との質疑応答のやり通りが記事になっており、大変興味深い内容になっております。
Twitter界隈では既に多くの人からRIZAPの状況に対してコメントが上がっていますね。
「人材もノウハウもないのに、しかも、ものすごい速度で買収進めて、その能力をはるかに超えたことをしたら落とし穴にはまったという、当たり前の話だ。」
RIZAP社(RIZAPグループ株式会社)についての歴史は以下の通りですが、世間的に注目されたのは数年前より「結果にコミットする」というトレーニングジムの広告を大量露出し始めた時期からでしょう。
その後、本業(?)との関連性を見出しづらい、傍から見たら「無節操」な企業買収を次々に行い、さらには「カルビー」の前会長、松本晃氏を今年6月よりCOOとして招聘したことでも話題になっていました。
ところが今回の「急転直下」の決算下方修正&経営方針の転換です。いったいRIZAP社に何が起きているのでしょうか?メディアに出ている情報等から私なりに推測してみました。
※以前に書いた「会社の内情妄想」系記事。相当ビンゴで後で自分で驚きました。
WELQ問題と、感じる既視感(組織の「あるある」) - hrstrategist’s blog
■なぜ今回、RIZAP社は決算下方修正&経営方針の転換を行ったのか?
これは明らかに、松本氏が主導したのでしょう。上記の質疑応答によれば、松本氏はグループ会社を回り、その中で、「面白そうなおもちゃなんだけどこわれてんじゃないか、という会社」「不況産業じゃないの?という会社」「(瀬戸)健さんのビジョンにそぐわない会社」を認識したようです。これは想像以上におかしなことになっているぞ、と。
そこで、「悪いニュースはいち早く出す」とともに、ここで膿を出し切って、これからのV字回復を目指すべきだ、と松本氏が瀬戸氏を説得したようです。
■なぜ、RIZAP社の「積極的なM&Aで急拡大」は失敗に終わったのか?
上記日経新聞の記事によれば、
「13年3月期に10社だった連結子会社は18年3月時点で75社に膨らんだ。この半年でも買収を続けており、11月時点での連結子会社は85社にものぼる。」
そうですが、
「フリーペーパー発行のぱどやCD・ゲームソフト販売のワンダーコーポレーションといった子会社が損失計上を迫られ」「「再建は現場の力でやる」(瀬戸氏)という基本方針でやってきたが、赤字企業を短期間に再生させるには困難が伴った」
とのことです。
私が思うに、RIZAP流M&A戦略のシナリオって以下のようなものだと思うのです。
1.「負ののれん代」で利益が出る(ボロ)会社を買収し、当期の利益を上乗せする
2.買った企業を立て直して収益化する
(3).立て直した企業を(買い手がいれば)高値で売却してそこでもう一度儲ける
(3)については実現していないので、あくまで予想です。
では、何が問題だったのか。2点あると思います。
1つ目は、「負ののれん代」で利益を得ることが目的化してしまったことです。本来であれば、企業における事業投資としてのM&Aは、自社の既存事業と何らかの形で「シナジー」が見込めそうな会社を対象とするのが常道です。ところが、RIZAPの買収先を見ても、どのように「シナジー」が起きるのか、全くイメージできません。そのような会社をあえて買う理由は、「負ののれん代」狙いであると考えれば説明がつきます。そのような買収方針の中で、松本氏が懸念する(経営努力によって回復が不可能な)「不況産業」も紛れ込んでしまったのでしょう。
2つ目は、「買った企業を立て直す」(いわゆるPMI(Post Merger Integration))のプロセスを(かなり)甘く見ていたのではないかということです。上記の質疑応答によれば、
「本来は買収前に、再建のシナリオがあってしかるべきだった。ないものはこれから作らないといけない。」
ということです(呆れます)。企業再生に関しては私も当事者の経験があります。前職で買収子会社に出向し、経営再建に携わった経験から言えば、「現場まかせ」でシナリオもない状況で企業の再建などできる訳がないのです。
うまくいかない会社にはうまくいかない理由があります。一番の理由は、うまくいかない会社は「やるべきことをやらず、やるべきでないことをやっている」。要は(従来からいる人たちの)意思決定の優先順位の判断基準がおかしいのです。それを是正するには、外部から来た「よそ者」が(買収元企業の威光を借りつつ)「これはおかしい。変えるべき」と訴え、変革を行動に移していくプロセスが不可欠です。
そして、そのようなプロセスを進めるには、各社に最低でも1名~数名の(常勤の)担当者が張り付く必要があります。子会社全てにそのレベルの人を充てるとすると最低85名、実際にはその数倍の「経営者」人材が必要です。残念ながらRIZAP社の手持ちの人材がそれほど豊富であるとは思えません。
結局、「買収したは良いが、経営改善は従来の経営メンバーに丸投げ」というパターンが多かったのでしょう。そのような手法で「結果にコミット」は到底期待できないだろう、というのは、企業再生の経験者からすれば議論の余地もない話だと思うのですが。
■なぜ、松本氏はRIZAPに入社したのか
これはとても興味深いです。入社の経緯については以下の記事で、瀬戸氏について、「彼は面白くて、魅力的な男」「あれほどの規模の会社のトップをやっているのに、性格がいい。」と言っています。先日の決算発表の質疑応答でも「入社を決めたのは瀬戸健(社長)に惚れたからだけど」とコメントしているように、RIZAPという会社より、瀬戸氏個人に対して「絆された」のだろうなと思われます。
一方で、事業に対しては「わからないことが面白い」と言っているように、そこは入社してから考えようとしていたと推測されます。結果がある程度予測が付く「外資系企業の雇われ経営者」より、オーナーに寄り添って一つの企業を創り上げていくことに魅力を感じられたのは、前職のカルビー社における成功体験が、この意思決定に影響したのでしょうね。
■なぜ、松本氏は「COO」を辞めたのか
「COO辞任」については、日経ビジネスでこのような記事が出ましたが、結論から言えば、COOを「外された」訳ではなく、「構造改革」の仕事が当初の想定以上に「重い」仕事であったが故に、あえて、その業務に集中できる体制を作った、というのが真実のようですね。
上記の日経新聞記事でも「RIZAPでも松本氏に課せられた使命はガバナンスだ。」とあるので、こちらの記事の方がだいぶ「芯を食っている」感があります。
なお、1点指摘しておきたいのは、松本氏がCOOから外れても、「代表取締役」は外れていないという点です。代表取締役の「代表」を外れるには「辞任届」を出せば済む話です(取締役会決議すら不要)。それをしていないというのは、経営体制として松本氏がトップであるという状態は、たとえCOOを外れても不変であったという証拠だったと言えるのではないでしょうか。
■なぜ、「プロ経営者、生かし切れず RIZAP松本氏、COO外れる」という日経ビジネスの記事が出たのか
これもなかなか興味深いです。執筆した記者に対しては「残念でした」で終了なのですが、そもそもこのような、結果的には全く見当違いな記事を書かせるインセンティブは瀬戸氏、松本氏いずれにも無い訳で、裏返せばこういう記事を書かせたい経営メンバーがRIZAP社内にいるということですね。
では、なぜこのような記事を書かせたいかというと、松本氏が進める経営改革の方向性が彼らにとって「困る」ことだからです。というのも、今回の「経営方針の転換」により、実態として「ダメ」な(実質的に経営改善できていない)子会社に関しては担当幹部は当然責任を問われることになります。上記質疑応答で、松本氏が
「経営に功績のあったエグゼクティブ・コンペンセーション(役員報酬)にも不備があると思っている」
と(あえて)言及しているのは非常に味わい深いです。
松本氏はカルビーの前に外資系企業で雇われ経営者をされていたので、いわゆる「外資」的な、短期的収益に過度に連動した経営者への報酬体系に関して、良し悪しを知り尽くしているでしょう。そのような方からみて、今のRIZAPの役員報酬のスキームは、過度に「短期志向」であるのだろうと推測されます。
典型的なケースは、当期の「利益」と役員報酬を連動させるものです。そもそも数年単位で転職する前提で、現在のポジションで獲得できる収入を最大化させようとする(外資系企業の経営者にありがちな)インセンティブがある人であれば、損失計上は可能な限り(自分が辞めた後に)先送りしつつ、利益は可能な限り(長期的な利益は犠牲にしても)焼畑農業的に前倒しで計上させようとします。どうせ直ぐに辞めるので、会社がそのあとどうなっても知ったことではありません( ;∀;)。
そういう思考の方が、「まずは膿を出し切れ!」という松本氏と意見が合うはずがありませんし、そういう方たちが何を考えているかは、松本さんにとっては手に取るように分かるのではないでしょうか。
この方たちの誰が「抵抗勢力」なのか、想像してみるのも面白いですね(笑)。
■RIZAPは今後どうなるか?
現状が相当に「危機的」な状況にあるのは間違いなさそうです。上記の「市況かぶ全力2階建」でも、「資金繰りの懸念」が指摘されています。
一番重要なのは、瀬戸氏が松本氏を信頼し、支援し続けることが出来るか否かでしょう。松本氏が手腕を発揮できるかどうかは、瀬戸氏との信頼関係が持続できるかどうかに依存しています。逆に、瀬戸氏がハシゴを外してしまえば、松本氏に対する求心力は失われてしまいます。もしRIZAPが松本氏が成果を出す前に不本意な形で退出を迫ることになれば、そのような仕打ちをする会社に優秀な後任者を招聘することも難しくなります(L*x*l社のように)。
幸いにも、松本氏は「(瀬戸氏の)性格がいい」「瀬戸氏に惚れた」と発言しており、さらに今回の松本氏が主導した経営方針転換に瀬戸氏が従っていることを見ると、「経営者の器」という点で瀬戸氏には見るべき所があるのではないか、と感じられる要素があります。
現状の状態は決して楽観すべきものではないでしょう。実は私自身も(ビジネスパーソンとして、または、個人投資家としても)RIZAP社に関しては、「宣伝だけうまいどうでも良い会社」と認識して全く興味はなかったのですが、今回の決算修正の経緯を観察していると、「もしかして今後面白いことが起こるかもしれない」と興味を持つようになりました(その勢いでこの記事を書いています)。
という訳で、松本氏の経営手腕を信じて、今後のRIZAP社の業績回復と発展を期待したいと思います!